阿波晩茶
番茶は、各地域で作られていて、製造方法もそれぞれ異なります。
これは阿波の国、徳島でしか生産されていない阿波晩茶。
山に自生している茶の木「ヤマチャ」を原料に作られます。一番茶であるけれど摘まれる時期が遅く、土用に一度だけ摘むので、晩茶と表記が統一されました。
阿波晩茶は後発酵茶で、熱で酸化酵素のはたらきを止めた後、カビ、酵母、バクテリアによって発酵させます。煎茶とちがい、葉を蒸すのではなく、釜で茹でて発酵を止めます。その後、茶すり機で揉捻し、木桶に葉を移して杵でつきます。それから芭蕉や棕櫚の葉を敷き、上に木蓋を置き、重石を乗せ、発酵させます。期間は1〜3週間。ブクブクと音がして、酸味の強い匂いがします。茶葉を撹拌させてから藁筵に広げ、三日間天日干しします。乾燥した葉は納屋でねかせて熟成させ、茎や実を取り除き出来上がりです。
飲み方は、沸騰した1リットルの熱湯に、お茶の葉をひとつまみ(3g)いれます。急須でいれる場合は、葉をつぶして細かくし、沸騰したお湯を注いで数分待ちます。黄金山吹色になったら飲み頃です。さっぱりした味です。
焼米に熱い阿波晩茶をかけて、阿波晩茶漬けにする食べ方もあります。
阿波晩茶は環境省選定かおり風景100選にも選ばれています。