深い木々に囲まれている道を進むと、霊仙寺跡が見えてきます。今は扉もありません。

左は霊仙寺の、右は茶園の案内板。

傍に、1191年、栄西禅師が宗から持ち帰った茶の種を蒔いたとされる畑が広がります。標高約450メートル。その先に、道の駅が見えます。

自然仕立ての在来種。マリモみたいです。

茶畑の入口には、諸説ありますが、日本最初の茶樹栽培地と書かれた石碑が立っています(左の写真)。丸い茶樹(真ん中の写真)と茶樹のアップ(右の写真)。

茶畑の脇道の先へ行くと、栄西禅師が修行し茶の種を蒔いたとされる、石上(いわかみ)坊跡があります。開けた場所に茶樹が点在しています。戦後、茶樹は伐採されたそうですが、お茶の木は強いので日が差し込むと芽吹くそうです。
佐賀の旅のハイライトは、栄西禅師の茶畑がある脊振山。

麓の道の駅、吉野ヶ里(よしのがり)では、湧き水が汲めます。

水を汲んだ後は、栄西禅師も滞在したと言われる霊仙寺跡へ向かいます。

霊仙寺跡の入口には、案内板や看板が設置されています。

いよいよ山道を下って行くと、守護梵字「バン」と刻まれた石碑が姿を見せます。側にこの一帯唯一の湧き水があります。

湧き水で手を清めたら、霊仙寺跡へと続く道を進みます。

和多屋別荘にある副島園茶寮では、茶考が体験できます。

茶考とは、茶を感じ、茶を考える。5種類のお茶の幾重にも重なる風味や、普段では気が付かない繊細な香りを感じること。継承されてきた茶文化を再認識し、これからの茶文化を考えること。

1杯めは16時間水出しした烏龍茶。香味を引き出すため、リーデルのグラスに注がれます。

グラスにはSOEJIMAENのロゴが入っています。福岡のまたいちの塩(右の写真)を数粒舌に溶かしてから、烏龍茶を味わいます。

2杯めは蒸し製玉緑茶。被せのやぶきたは、極少量の餡子(右の写真)とペアリング。


3杯めは120分常温水出し茎ほうじ茶。ちょこっとの生チョコ(右の写真)とロースト感の黄金比です。

4杯めはべにふうきの東方美人。5色のリーフから緑色のリーフを手作業で取り除いた後(右の写真)、蓋の無い急須で淹れます。有明海の海苔を炙り(左下の写真)、発酵度の高い東方美人に合わせます。

5杯めは蒸し製玉緑茶。さえみどりのコールドブリューティーです。

紅梅漬(左の写真)を齧り、口の中をリセットしてから頂きます。

茶を淹れる美しい所作と照明効果と余計なものを削ぎ落とした空間。

計算し尽くされた80分でした。