ロケット発射を翌日(台風接近で翌々日に変更)に控えた種子島から、
高速船で屋久島へ渡り、
空港近くに店舗と工場を構える八万寿茶園に伺いました。製造から小売りまで営むお茶屋さんです。そして和紅茶のイベントを一緒に開催させて頂いた、お茶仲間です。
有機栽培で育てる7品種(くりたわせ、ゆたかみどり、かなやみどり、さえみどり、めいりょく、あさつゆ、やぶきた)の茶畑の広さは6ヘクタール。1番茶から4番茶まで採れ、3月末から茶摘みが始まります。
草取りに力を入れていて、草取りも害虫も人力で駆除するそうです。その成果がどの畑にも現れていて、きれいな畑でした。
杉林を開拓して約30年経つ畑は、改植しておらず、防霜ファンはなくスプリンクラーがあります。
2番茶以降は紅茶を製造したり、ドリンクの材料として、静岡を経て台湾に輸出されるそうです。台湾では農薬の規制が厳しく、有機のお茶は大切な存在だそうです。HPにも表記されていますが、八万寿茶園は有機JAS、アジアGAPを取得しています。
周辺は自然が溢れています。左から雷が落ちた杉の木、真ん中はトトロがさしていた傘、クワズイモ、右は自生の三つ葉。
茶畑の後ろにそびえる愛子岳が見られなかったので、次回の宿題にしたいと思います。八万寿茶園のみなさま、雨の中でのガイド、ありがとうございました。
種子島は、日本の茶の相場を決める重要な茶産地です。種子島でも茶畑を視察させて頂きました。
種子島の茶生産家は5〜6軒いて、東海岸も西海岸も茶の生産をしています。上は種子島茶生産組合の建物。島内の工場数は、個人7、法人2、農協1、合計10カ所あります。
柱に品種と面積の表示があるのは、種子島の茶畑の特徴。「みねゆたか」は種子島だけの品種です。霧の向こうは、晴れた日に太平洋が見えるそうです。標高は213mです。
蜘蛛の巣が多いのは農薬が少ない証拠。案内をして下さった生産家、松寿園の松下栄市さんの畑は、2番茶まで農薬をかけないそうです。
こちらも種子島だけの品種「松寿」の茶畑。松寿は松下さんが育種した品種です。早生種なので、ここは遅めの畑です。
こちらはさえみどりの茶畑。霧の先には、晴れた日に東シナ海が見えるそうです。
上の写真は畝にある敷き草。雑草防止と雨で土が流れないようにする為、刈った草を敷きます。右の写真のような周囲に生えている草を使います。
番屋峰公民館(左写真)前にある茶の実のオブジェ(真ん中の写真)と茶業記念碑(右の写真)。番屋峰は島の高台にあり、茶業の先進地です。明治42年、静岡から移住してきた松下助七氏、栗田茂三郎氏、松下清作氏が開拓し、製茶業を始めたことが種子島のお茶の始まりです。その功績を讃えています。因に早生種である「くりたわせ」は、栗田氏の2代目、栗田誠一氏が育種した品種です。
最後に、松下さんの奥様が作って下さった、種子島の郷土菓子も頂きました。つのまき、かるかん、緑茶入りと生姜入りの黒糖、砂糖漬けのドライの生姜。お茶は松寿の玉露出し(種子島の超軟水での水出し)。心のこもったおもてなしに、気候も人柄も暖かい種子島らしさを感じました。松下さん、奥様、ありがとうございました。