悠々茶論9回目はお茶の図書室です。
桑原秀樹著「お抹茶のすべて」。
宇治の抹茶問屋4代目であり、日本茶インストラクターでもある桑原秀樹さんの著書です。「抹茶の研究」で、宇治市紫式部市民文化賞を受賞された方です。抹茶を使ったお菓子の裏話や、抹茶を作っている昔の写真も掲載されています。
茶農家 村松二六「チャとともに」。
子供も読めるようカナが振ってあります。大きなカラー写真と村松さんの語り口による、国産紅茶づくりの本です。村松さんの存在があったからこそ、現在の日本産紅茶の発展があります。和紅茶ファンは必読です。
戸塚真弓著「パリからの紅茶の話」。
ポルトガルでは、茶をシャァと呼ぶ。それを知ったきっかけは、この本です。今まで目にしたお茶の本には、ポルトガルでは「Cha チャ」と発音すると書いてあります。常に新しい発見を求める方に、オススメの1冊です。
それでは、良いお年をお過ごし下さい。
2日目のハイライトは、石鎚黒茶ただ1人の伝承者、曽我部正喜様にお会いすることでした。石鎚黒茶は、愛媛県石鎚山で生産されていた後発酵茶です。曽我部さんがご高齢のため生産を止め、山を降りられてからは、東京の檜原村で製造実験が行われています。当日は体調が優れないようでお会いすることはできませんでしたが、曽我部さんが以前お住まいだった、石鎚山のふもとまで行くことはできました。
この道の奥、徒歩30分の場所に、旧曽我部邸があります。
ふもとには目印のように、橋と諏訪神社があります。曽我部さんは山を降りるとき、この神社に寄進されたようです。
鳥居をくぐって(左の写真)橋を渡ると(右の写真)、
社が見えてきます(左の写真)。右の写真は、橋の上からの川の眺め。
あいにくの雨模様でしたが、清々しい山の空気に癒されました。
山からホテルへ戻り、石鎚黒茶の製造技術を引き継いだ、愛媛県で作られている天狗黒茶と、夏に私たちが作った石鎚(檜原)黒茶の飲み比べをしました。左の写真は、奥の天狗黒茶と手前の石鎚(檜原)黒茶をやかんで煮出しているところ。真ん中の写真は、煮出した天狗黒茶をカップに注いでいます。右の写真は、石鎚(檜原)黒茶をカップに注いでいます。
左が天狗黒茶、右が石鎚(檜原)黒茶。比べてみると一目瞭然。尚、天狗黒茶は茶を枝ごと刈り取って蒸します。自分たちが作ったからなのか、石鎚(檜原)黒茶はより一層おいしく感じました。機会があれば、また四国を訪問したいです。