金沢から足を伸ばし、輪島塗 蔦屋のアトリエにも伺いました。その日は、雪が降り始めた日でもありました。大戸口の玄関に塗師屋(ぬしや)の看板。建物にも歴史を感じます。
見学させて頂くことが待ち遠しかった、土蔵をリノベーションしたアトリエ。
通気性が良く、湿気がこもりにくく、耐火性のある土蔵造り。
モダンスタイルと伝統工芸が融合した空間に、その感性に、刺激を受けました。
目移りするハイセンスなデザインの器たち。見れば見るほど、欲しいものが増えていきます。
女将の佳子さんから、漆器の作り方のレクチャーも受けました。
120もの工程があると言われる輪島塗。丈夫で修理もできるので、代々受け継いで使える漆器です。
職人さんのいる工房も見学させて頂きました。もうすぐ年季が明ける左の職人さんとベテランの右の職人さん。何人もの職人さんの手で、時間をかけて、重要無形文化財の輪島塗が作られていきます。
お忙しい中時間を割いて、素敵なおもてなしをして下さった佳子さん、ありがとうございました。
江戸時代からの長い時を経て、藩主の庭から一般へと解放された兼六園。
日本三名園のひとつであり、神仙思想の庭園です。
シンボルとも言える唐崎松(左)と霞ヶ池(右)。
園内を散策していると、一緒にいたお茶仲間が茶樹を見つけました。
どの茶樹もわりと最近植えられたようです。
場所は入口看板の後方。他の所にも植えられている可能性があります。これを機に、新たなお茶のイベントが、兼六園から発信されそうです。
ブログには書ききれない充実した時間をコーディネートして下さった赤須さん、大変お世話になりました。素晴らしい茶旅になりました。ありがとうございました。
昨年12月、加賀棒茶を訪ねて金沢を旅しました。加賀棒茶は、石川県で作られている茎焙じ茶です。
見学させて頂いたのは、森本駅のそばにあるあずま園茶舗。
上の写真は棒茶の元、茎茶。産地は決めておらず、主に伊勢や静岡から仕入れているそうです。高価な宇治の碾茶茎茶(右から2番目)もありました。棒茶は香りが命で、品質は碾茶茎茶、一茶茎茶(一番茶の茎茶)、二茶茎茶(二番茶の茎茶)の順で良いそうです。
工場には焙煎機が2台あり、1台は排気乾燥火入機(ドラム式焙煎機)です。
上の口から茎茶を投入し、職人の勘で温度と時間を決め、下の口から炒った茎茶が出てきます。焙煎した茶を茶箱の中で、すぐかき混ぜて冷まします。茶が縮み引き締まるからだそうです。
もう一台は、自動砂炒焙機です。1時間でも2時間でもお茶を投入でき、茶が膨らみおいしい棒茶ができます。熱した砂の熱で、お茶を焙煎します。
投入口(一番左の写真)に茎茶を入れると、焙煎機の中(左から2番目)に運ばれ、砂と一緒に回ります。通過時間は2分です。出口(右の写真二枚)には異物を取り除くための磁石があります。お茶は出てきますが、砂は出てきません。
茶箱に集めた焙煎したお茶を床の上の台に広げ、棒でかき混ぜて冷まします。再び茶箱に戻し、折りたたみ式の台もしまいます。
砂炒焙機に入れる砂も見せて頂きました。使用前の白い砂と使用後の黒い砂です。
最後に、店主のしんちゃんに淹れて頂いた棒茶を試飲させて頂き、お話を伺いました。石川県は茎焙じ茶の発祥地で、加賀棒茶は昨年1月に地域団体商標に登録されました。しんちゃん、ありがとうございました。
「お茶のまち 金沢(兼六園)を訪ねて」に続きます。