11回目の悠悠茶論は、3冊のお気に入りの本をご紹介します。
1冊目は、磯淵猛著「紅茶画廊へようこそ」。
磯淵さんが蒐集した紅茶にまつわるイラストや絵画を取り上げながら、ご自身のエピソードも交えたユーモラスな1冊。絵から入る紅茶の世界が広がっています。
大森正司著「お茶の科学」。
お茶の権威であり、日頃からお世話になっている大森先生の著書です。昨年発行されました。緑茶、烏龍茶、紅茶についてとても丁寧に解説しています。
山本広巳著「急須の話」。
美味しいお茶を淹れるための必需品である急須。知っているようで知らない急須のことが、写真付きで書かれています。お茶の注ぎ方やインストラクションの上達に繋がる1冊です。
10月の終わりに、丸子紅茶の生産家、村松二六さんを訪ね、烏龍茶製造実習をさせて頂きました。
「べにふじ」を摘んで下さっていたので、日干萎凋からスタートしました。
カレンの上の茶葉を影にしないよう気をつけながら、古い葉や茶花などを取り除きます。1時間ほどしたら、茶葉全体を動かします。
それから45分後、室内萎凋に移行します。
そして揺青(ようせい・お茶の葉を撹拌する)と静置(せいち・お茶の葉を寝かせる)を5回繰り返します。回を重ねるごとに攪拌させる回数は増えます。この時の室温は27度、湿度50%。
揺青と静置が終わると、200〜210度で茶葉を殺青(さっせい・加熱して発酵を止める)します。
左から茶葉を機械に投入、真ん中殺青中、右は殺青後の茶葉をヌンカンに出しています。
ヌンカンの上の茶葉を包揉(白い布で包む)し、15分置きます。その後、白い布から茶葉を出し揉捻します。
揉捻機で6〜7分揉捻した後、手作業で玉解きし、
水乾機に30分入れた後、烏龍茶用の乾燥機に移します。
73度で6時間乾燥させ、右は乾燥機から取り出した烏龍茶。
できたてのべにふじ烏龍茶のアップ。早速飲ませて頂きました。自分で作った烏龍茶なので、より美味しく感じました。二六さん、時枝さん、ありがとうございました。
今年の春リニューアルされた、ふじのくに茶の都ミュージアム。吹き寄せ壁に囲まれています。
周辺には牧ノ原の茶畑が広がります。
ミュージアムからは大井川も見えます。
ミュージアムの庭園は、小堀遠州が作った仙洞御所の庭園を復元したもの。
2階は撮影可能で、世界のお茶について展示されています。3階は茶の歴史や子供も楽しめるコーナーがありました。お茶の勉強をしている人には、楽しみながら学べる施設です。
1階のカフェでは、ここでしか食べられないななやさんのパフェがオーダーできます。迷わず、世界一濃いと言われる抹茶ジェラードNo.7を選びました。
茶箱をイメージする最中の皮が良い感じで、美味しかったです。